- 著者コメント
『新刊 瑠璃色の一室 の説明』 元恋人への復讐をもくろむ女性《鈴木真里》、頭脳明晰な刑事《竹内秋人》、精神科病院から脱走した友人を心配する同室の患者《桃井沙奈》。一人称で語られる三人の物語が順番に展開されていく。それぞれの物語は少しずつ重なっていき、それはやがて大きな事件へと繋がる。冬の季節、閑静な住宅街に佇む瑠璃色のアパートを中心に巻き起こる、冷たく儚い本格ミステリー。- 経 歴
1985年鹿児島生まれ宮崎育ち。東京都在住。上京後に小説の執筆を始める。2013年に『島田荘司選ばらのまち福山ミステリー文学新人賞』へ投稿した「ビリーバーの賛歌」が優秀作を受賞しデビュー。受賞作は「旧校舎は茜色の迷宮」と改題され講談社ノベルスより刊行された。ミステリ作家の法月綸太郎と三津田信三の推薦により本格ミステリ作家クラブに入会。現在は作家業・探偵業のほかに、専門学校「アミューズメディア総合学院」小説・シナリオ学科の講師を務める。・ミステリ作家になった経緯
初めて書いた長編ミステリ小説を、文学賞「このミステリーがすごい!大賞」に投稿したところ一次選考を通過。このジャンルで入選が狙えるかもしれないと考え、ミステリの執筆を継続することに。二作目に書いた「ビリーバーの賛歌(旧校舎は茜色の迷宮)」で入選することができ、本格的に作家としてデビューしました。・探偵になった経緯
ミステリー小説には探偵が多く登場するため、非常に密接な関係性を帯びています。ゆえに探偵業を経験してみることにはメリットがあると考えていました。そんな折に誘いを受け、探偵として活動してみようと思いました。・本の探偵と実際の探偵の違い
小説のように、殺人事件の捜査を依頼されて怪しげな客人たちが集う屋敷へ出向くようなことはないです。もちろん迷子の猫を探す依頼も。実際の探偵は、各種工作、素行調査、浮気調査がほとんどです。・実際に探偵をし、どのように本に活かせているか
本物の人間が抱く感情はエンターテイメントにはない美しさがあって、喜楽、憤怒、悲哀の感情は、とても心に訴えかけてくるものがあります。この本物の感情とエンターテイメントの遊戯的発想の融合は強力であり、文芸に自然と活かされています。・別れさせ屋や復縁屋について
必要としている人は意外と多く、人の未来を左右する業務であり、なくてはならない仕事だと感じています。・今後の私の活動予定
先に述べたように、探偵として依頼を解決することは依頼者の為になるだけでなく小説家としても成長できます。ひとつでも多くの事案を解決したい。そのうえで傑作の小説を生み出せたら本望です。・皆様へ一言
引き受けることに探偵たちは抵抗も偏見もないし、依頼するほうも引け目を感じる必要はありません。なにかアクションを起こして日常の一部である人間模様を一新、または再生させようという感情は人間である以上ごく自然というもので、むしろ持っていなければならない欲求だと思います。今より幸せになろうと思うなら力になりたいです。依頼することに迷いはいらない。