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出会い・付き合い

人との距離感

例えば職場や学校など、同じ空間で共に過ごす時間が長い人がいたとします。

 

A という人は好奇心旺盛で、男女や年齢の別を問わず、また容姿やステータスに関わらず、誰とでも積極的にコミュニケーションを図る人です。

そういった人なので、どこか落ち込んでいる人や、悩んでいそうな人を見ると、話しを聞き出し元気づけようとします。

それで実際に元気づけられる人もたくさんいます。

しかし、誰に対してもそのように均一に接することが最善とは言えません。

 

あまり他人から好感を持たれない B という人がいたとします。

自分は人から好感を持たれないということを B は自覚しています。

自覚しているので B は一人でいることに慣れています。

好感を持たれようと改善することもしません。

改善すればいいのに、なぜ改善しないんだ、と思われるかもしれませんが、他人に問題視される点について改善の余地がある場合、受け入れてもらうために気をつけるか、受け入れられることを諦めるかは本人の意思次第です。

 

そんな B に対し A は優しく話しかけます。

それが1回では止まらず、長期間にわたりAはBとのコミュニケーションを図ります。

Bは他者に受け入れられることを諦めていましたが、 A の積極的なコミュニケーションにより、Bの心は徐々に、ちょっとずつ開いていきます。

 

次第にAに対し気を許し始め、この人は自分にとって特別な存在であるとBは思います。

 

ここでA と B が異性であった場合、BはAに対し恋愛感情を抱く事があります。

Bは意を決しAに交際を申し入れます。

しかしAにとってBは特別ではなく、交際の申し入れを断ります。

 

そこでBは思います。

最終的に拒絶するなら、なぜこちらの心の扉を開こうとしたのか、と。

こちらは開くつもりはなかった、しかしAであればと信じて開いた、その結果。

 

はじめは人に優しくされることから遠ざかっていたため、Aのありがたみを感じていましたが、やがてそれだけでは満足できず、より相手に求め出す。

いうならば、高級寿司の味を知らなければ回転寿司も今より満足して食べれた、と感じる瞬間。

 

やがてBの心はAへの恨みに変化します。

Aからすれば、良かれと思いコミュニケーションを図ったが、まさかの結果に至ってしまいました。

 

 

人を見かけで判断してはならない、話してみないと分からない、と言います。

これは最もですが、人の時間は限られています。

出会う人全員と深く付き合って、内面を確かめてから改めて好悪を判断する時間はありません。

人は第一印象で好感を持てた人を求めます。

人からどう思われてもいい、と考えている人は身だしなみなどにあまり気を使わない傾向があります。

そのような人に対し、強引にコミュニケーションを図ると、予期せぬ結果になってしまうことがあります。

人を見かけで判断してはならない、ですが、人の意思は見た目に現れている、とも言えるのではないでしょうか。

 

 

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